交流先担当者からのメッセージ

A保育園より

「高校生と乳幼児の交流学習を来年度から実施したいのですがご協力頂けませんか」というお話が高塚先生からありました。

9年前のことです。近い将来、親になっていかれるであろう高校生にとって必要な体験であり、大切な視点だと共感し、実現に向けて保護者の方にも理解を頂くように話していきました。

この時点では入園している乳幼児への成果と言うより、多くの実習生を迎えるような気持ちでいたように思います。

しかし、実際の交流が重ねられ始めると、すてきな笑顔を見せるのは高校生だけでなく、園児もだということがわかりました。

交流の日を指折り数えて楽しみに待ち、自分だけに心を向けてもらうという満たされた気持ちの中で、安心しきった笑顔を見せていました。

16年度は膝の上で絵本を読んでもらったり、河川敷の河原の草の中で遊んだり、牛舎見学の遠足も一緒に行きました。

手をつないで歩いたり、肩車をしてもらったり、おんぶをしてもらったり、一緒にお弁当も食べました。

保護者参観のもとでの生活発表会では、5歳児の一人が楽しかった体験の紹介のところで「お兄さんに抱っこしてもらったり、おんぶしてもらったりしました。

お兄さんの背中はあったかかったです」と発表しました。

交流する前や交流した後に高校生からもらった手紙のことも印象に残っていることがあります。

大好きになったお兄さんからもらった手紙を小学4年生になった今も大事な宝物入れにしまっていると言う子どももいます。

たぶん、今では顔を忘れたかもしれませんが、大事に接してもらったといううれしさは、子どもたちの心のどこかに残っていくだろうと思います。

赤碕高校の取組の素晴らしさは、乳幼児のみでなく高齢者の方とも交流を続けてこられたということだと思います。

人は大切にしあい、支えあい、尊びあうものだということを交流体験した生徒のみなさんは実感していらっしゃるのではないでしょうか。

先日の民放のテレビ番組で、休日にボランティアで地域の小学生にさまざまな自然体験の場を提供している青年が紹介されているのをみました。

しかも、中学時代の同級生と一緒にその活動をしているとのこと。

彼はなんと人間関係づくりの授業を体験してきた赤碕高校の卒業生でした。

なんだかうれしくて涙が溢れました。

この人達がすむ地域は間違いなく大事なものが伝承されていくのだろうなと思いました。

卒業生のみなさんは、赤碕高校で学んだことを誇りにしてください。

そして、学んだことを自然体で実践しているすばらしい先輩がいることを誇りにしてください。

赤碕高校のこのような取組は、どこかの学校が引き継げばいいのではなく、すべての高校で取り組んでほしいと思います。

全ての人が全ての地域で心豊かに生きていけるためにも・・・。


B保育園より

犯罪の低年齢化や、幼児虐待など、命を大切にしない痛ましい事件が多発しています。

これらをなくす方法は様々あり対策も論じられているが、いろいろな人との関わりの中でこそ、「人間」として生きていく力が育っていく要素が大きいのではないかと交流を通じて感じました。

将来、お父さん、お母さんになるであろう高校生にとって、幼い園児との交流は命を育む体験になったのではないでしょうか。

赤碕高校の卒業生はきっと素敵なお父さん、お母さんになると信じています。

また、核家族や祖父母との同居でもあまりふれあいのない家庭もあり、いろいろな人との交流が豊かな人間関係を育んでいき、園児にとっても本当に貴重な経験でした。

高校生がこの授業を通じて表情や言葉、態度に自信があふれ、成長している姿を発見することも多くありました。

この取り組みで学んだことは、きっと心の栄養となったことでしょう。

閉校になっても赤碕高校が先駆者である「人間関係を学ぶ」授業がますます重要になってくると確信しています。

今後も取り組みが継続され、この授業の灯を消さないでと強く願っています。


C保育園より

赤碕高校との交流は、年間10回以上の日常交流を3年間行わせていただきました。

その中で、「乳幼児教育研究会」の公開保育を地元の海で赤碕高校との交流の日に行いました。

“豊かなかかわりをそだてるには”というテーマで研究を深めたことを思い出しました。

その頃は、どんな環境で・・どんな遊びを・・どんな言葉かけをしたら・・・

と方法や場所、成果ばかりを気にしていたように思います。

しかし、交流の回数を重ねるたびに、高校生と園児が向かい合い、固い表情が解け、会話が多くなり、安心して身を任せて遊び戯れる姿を見るにつけ方法や場所だけではないことに気づきました。

パートナーの2人がいて、自らが行動し感じあう関係をどう創りあっていくか、その過程が人間として育つうえで大事な学びであることを、交流を通して子どもたちの変容に学びました。

私たち周りの大人は、温かく見守ることと2人がゆっくりと関係を創り上げていく時間と場所を提供することが大きな役割だと考える時だと思います。

赤碕高校の皆様にこんなに多くの時間、たくさんの関わりをいただいたことに敬意と感謝の気持ちでいっぱいです。

そして、“継続は力なり”という言葉をかみしめた日々でした。

赤碕高校と交流があった日の職員室はとてもにぎやかです。

「高校生の○○君が、△△君のあんな笑顔を見たことないって言っとったよ」「うさぎ組のKちゃんは追っかけられる遊びばっかりだったのに、ニコニコしながらお兄さんの隣に座って話とったよ」「別れが悲しくてピアノの陰から泣いとるだがー」「朝、Hちゃんのお母さんが、今日は赤高との交流日でHが髪を三つ編みにしてって言います。

帰ってからの話が楽しみですと言いなった」等子どもの姿の伝え合いで一杯です。

この赤碕高校との継続的な交流は、保育園児にとっても高校生にとってもわれわれ職員にとっても人との関わることの快さ、豊かさ、そしてたくさんの学びをいただいた日々でした。

これからの人生の大きな力となることと思います。

赤碕高校という名前はなくなるけれど交流の思い出や豊かな心は、大きく膨らんでいくことと思います。

本当にありがとうございました。