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鳥取大学医学部医学科                  「ヒューマン・コミュニケーション授業」実践

■キーワード…人間力としてのコミュニケーションカ(受容力、典感的理解力、プレゼンテーションカ)、体力(持続力)、気力(バイタリティ、チャレンジ精神)、ホスピタリティ・マインド、役立ち感・自己肯定感

はじめに

 近年、医学部における人間性教育の必要性が「わが国の大学医学部(医科大学)白書2003の検証と補遺(平成16年5月)」の冒頭に緊急課題として取り上げられる中で、各大学で取り組みが始められている。

 全人的医療を実現できる医師の根幹となるものは豊かな人間性であり、人間性向上教育の充実は最重要課題となっている。全人的医療を実践できる医療人を育てるためには、豊かな知識、優れた技術・態度をしっかりと支える医師のプロ意識・豊かな人間性が土台となる。その土台がしっかりしていないと患者本位の医療ができなくなり様々なトラブルを生じやすくなる。

 この授業では、人と人とが確かな絆で結びつくことが求められている時代に、様々なテーマの「気づき(アウエアネス)の体験学習」で、ひたすら自分と向き合い自分を見つめ、今の自分自身の生き方や人間関係を見直し、どのような人間関係をつくっていくのかを考える場とする。

 さらに、授業で気づき学んだことを乳幼児(1年次)や高齢者(2年次)との継続的な交流の中で体験的に理解する場とし、豊かな人間性を身につけるために適切な礼儀やマナーを身につけ、良好な人間関係を構築するのに大切なホスピタリティ・マインドや自己肯定感やコミュニケーション能力を育む一助とする。

授業の概要

 授業は、乳幼児や高齢者との継続的な交流実習に向けて、自分を見つめ生き方やふだんの人間関係を見直す「気づき(アウエアネス)の体験学習」から始まる。

 「気づき(アウエアネス)の体験学習」は、生き生きとした人間関係を求めて「聴くことの大切さ、思いやり、あなたのホスピタリティ、私の話し方、相手の立場になって行動することを体験的に学ぶ、自分を知る」など様々な体験学習を行い、ます体験をして、体験で起きたことを自分で見つめる。「どうしてそうなったか」「次にどうしたらいいか」を自分に問いかけ考える。何かに気づくと、この次に同じような生活場面に出会ったとき、そのわかったことを「試す」ことになる。このように気づきによって自らが行動変容していけるように支援する学習を体験する。

 試す場は、ふだんの生活場面だけでなく、この授業の核である乳幼児や高齢者との1対1の継続的な異年齢交流で身をもって「試す」ことになる。継続的に同一の園児や高齢者と交流をもつので、決して無責任な関わり方をしてはならない。パートナーの気持ちを、表情や言動からくみ取り、どうしたらよい人間関係が築けるかを考え目標を立て行動する。

 うまくいかないと、次回の交流ではどうしたらいいのかを考え計画を立てる。そして、園児や高齢者からの信頼を得ることで、交流をより膨らませていくことを目標とする。

授業の目的

 人間関係づくりに関する「気づきの場」と「直接体験の場」を授業の中に設けることで、自分自身の生き方やふだんの人間関係を見直し、ホスピタリティ・マインドやコミュニケーション能力を身につけたり、豊かな人間性を涵養する機会とし、将来、患者と向き合える医療人を育む一助とする。